ご両親を自宅で介護されているご家族の方は、要介護者の介護度が重くなるにつれて、老人ホームへの入居を検討する段階に入っていきます。

老人ホームを初めて検討する時に最も心配なことが、入居にかかる費用ではないでしょうか。

老人ホームの費用は、一般的にどれくらいかかるのか？

平均的な老人ホームに入るには、どれくらいのお金が必要なのか？

高いほうがいいか？安いほうがいいのか？

今回は、様々な規模の高齢者住宅に精通する高齢者住宅の住み替えコーディネーターが、老人ホームの平均的な費用の相場を詳しくご説明します。

老人ホームの月額費用の平均はどれくらい？

老人ホームの平均的な月額費用は、全国平均で約14万円です。

賃料やその地域の老人ホームの数・充足度などにも左右されますが、地方の県であれば月額約8万円から入居が可能で、都心になると毎月17〜20万円もの費用がかかるところも。

弊社「老人ホーム相談デスクくまごろう」が主にご紹介できる北海道の老人ホームの平均的な費用は、約11万円です。

月額費用には食費や光熱費も含まれる。

上記の月額の平均費用は、次に記載した通り、生活費をすべて含んだ金額です。

• ●施設の賃料
• ●食費
• ●光熱費
• ●日用品、雑費
• ●外部の介護サービス費

つまり、施設外の介護サービスを多く利用したり、食費や日用品にお金をかけるほど、月額の費用も高くなります。

一方で、食費のような変動費を抑えることができれば、月額の費用を抑えられるということになります。

同じ老人ホームに入居していても、変動費によって月々万単位の差が生じることもあります。

入居一時金もチェックしよう

また、入居の際に支払う「入居一時金」も、地域や施設の規模によって異なります。

その平均は、おおよそ次の通りです。

【入居一時金の平均費用】

• ●全国平均は、約10万円
• ●都心の平均は、約20万円
• ●田舎の平均は、0〜5万円
• ●北海道の平均は、約4万円

入居一時金とは、賃貸物件でいう敷金のようなものです。

入居時にまとまったお金が必要となる代わりに、月額の料金を安く抑えられたり、施設にまとまったお金を預けることでサービスの充実や経営の安定につながるため、入居者に間接的に還元されます。

「入居一時金があるから良い・悪い」ということよりも、入居されるご本人やご家族の金銭面に適した老人ホームを見つけることが大切です。

民間施設と公的施設の違い

また老人ホームの費用は、大まかに「民間施設」と「公的施設」によっても変動します。

民間施設は、その名の通り、民間の会社が運営する有料の施設です。

• ●介護付き有料老人ホーム
• ●住宅型有料老人ホーム
• ●サービス付き高齢者向け住宅
• ●グループホーム

といった名称をもつ施設は、民間施設に属します。

民間施設は、各施設によって個性や特色が様々あり、入居者様やご家族が気に入る施設を見つけやすいというメリットがあります。

特色が幅広い分、月々の費用も各施設によって様々です。

一方、公的施設は、国や地方自治体が運営する施設です。

• ●特別養護老人ホーム（特養）
• ●介護老人保健施設
• ●ケアハウス

といった名称の施設は、公的施設に属します。

公的施設は民間より費用が安い反面、人気が高く入所が難しいことも多々あります。

大切なことは平均費用ではなく一人ひとりの安心

費用だけで考えるなら、公的施設への入居や地方の民間施設が第一選択になるでしょう。

しかし、入居されるご本人の健康状態や希望、ご家族の通いやすさ、施設のサービスの充実度など、入居の際に見るべきところは費用だけではありません。

入居予定の老人ホームを探す際は、費用の平均や相場はあくまで参考程度に考えて、入居に関わる人全員が安心・快適に暮らせることが大切です。