身寄りがなくても老人ホームに入居できる?身元保証人の役割と立て方を解説

こんにちは!!

シニア住宅「くまごろう」の住み替えアドバイザー、

福島 有也(ふくしま ともや)です!

老人ホームによっては、入居条件に「身元保証人」を定めている施設があります。

この場合、身寄りがない方はその施設に絶対に入居できないのでしょうか?

その答えは施設の対応によって変わりますが、身元保証人を立てられなくても正式な手続きを済ませて老人ホームに入居できるケースも多々あります。

今回は次の2つのテーマを中心に、老人ホームに正式に入居する方法を分かりやすく解説します。

【この記事で分かること】

  1. 老人ホームにおける身元保証人の役割(なぜ保証人が必要なのか?)
  2. 身元保証人がいない時にできる対策

老人ホームの入居に身元保証人を求められるケースが多い

老人ホームに入居する際は、身元保証人を求められるケースがよくあります。

なぜ、多くの高齢者施設で保証人や身元引受人を立てる必要があるのでしょうか?

その理由は、主に次の4つです。

【老人ホームにおける身元保証人の役割】

 ①病気にかかったり入院した時の方針を判断するため

 ②老人ホーム側の連絡窓口になるため

 ③入居費用の支払いの連帯保証人になるため

 ④退去や死亡時の手続きを行うため

役割①病気や入院時の方針を判断するため

身元保証人の1つ目の役割が、病気にかかった時や入院時の治療方針を判断するためです。

老人ホームの職員は、法的な繋がりや拘束力のない他人のため、治療方針の決定や病院での重要な手続きを進めることができません。

認知症などでご本人が自力で判断できない時は、身元保証人が代わりに治療方針を確認したり手続きを行う必要があります。

役割②老人ホーム側の連絡窓口になるため

身元保証人の2つ目の役割は、老人ホーム側の連絡窓口になることです。

介護付き有料老人ホームや特養(特別養護老人ホーム)などで他の入居者と一緒に生活を送る限り、人間関係のトラブルや不慮の事故に見舞われることもあります。

そうした緊急時の連絡窓口になり問題解決をサポートすることも、身元保証人の重要な役割です。

役割③支払いの連帯保証人になるため

保証人と聞いて一番に思い浮かぶ役割が、施設の費用を肩代わりする「連帯保証人」かもしれませんね。

老人ホームの費用は基本的にご本人が負担しますが、支払いが困難になった時に費用を立て替えることも身元保証人の責務です。

認知症などでご本人に意思決定の能力がない場合は、毎月の支払いを含む金銭的な手続きは、身元保証人が代わりに引き受けることになります。

役割④退去や死亡時の手続きを代行するため

身元保証人の4つ目の役割が、ご本人が亡くなったり施設を転居する際に、種々の手続きを代行することです。

最終的な費用の精算から荷物の受け渡しまで、ご本人にできないことを代わりに行います。

身元保証人の役割は、簡単にまとめると以下の2点に分けられます。

  • ●ご本人にできない判断のサポートや手続きを代行すること
  • ●ご本人が絡むトラブル発生時の連絡・相談窓口になること

施設側がいざという時の事態に対処できず八方塞がりになることを防ぐために、老人ホームの入居に身元保証人が必要なのですね。

身元保証人がいない時の2つの対策

最初にもお伝えした通り、家族が1人もおらず独り身の方でも、正式な身元保証人を立てて老人ホームに入居できるケースはあります。

身寄りがない方は、次の2つの対処法で身元保証人の条件をクリアすることができます。

【身元保証人を立てる2つの方法】

 ●成年後見制度を利用する

 ●身元保証会社を利用する

方法①成年後見制度を利用する

身寄りのない方が身元保証人を立てる1つ目の方法が、成年後見制度を利用することです。

成年後見人を定めて「法定代理人」になることで、家族でなくても治療方針の判断や金銭的な手続きを進められるようになります。

身元保証人と成年後見人の役割は厳密には異なりますが、老人ホームによっては成年後見人を立てることで入居が認められるケースもあります。

方法②身元保証会社を利用する

身寄りのない高齢者が身元保証人を持つ2つ目の方法が、身元保証会社を利用することです。

身元保証会社とは、名前の通り本人の身元保証人を正式に代行する会社のこと。

独り身の方だけでなく、家族関係の悪化などで身元保証人を頼めない方などにも利用されています。

身元保証会社が提供するサービスは、その会社によって様々です。

身元保証会社の主なサービス

 ●身元保証…老人ホームへの見学同行や緊急時の対応

 ●生活支援…生活費の管理や定期的な見守り

 ●事務手続き代行…入院や転居・死亡時の手続き

成年後見人と身元保証会社の違い

成年後見人と身元保証会社の一番の違いは、「身元保証人」になれるかどうかです。

実は成年後見人には、身元保証の責務がありません。

しかしどちらも、施設側が求める「連絡窓口」「支払いの保証」を行うことが定められているため、身元が不確かでもケースバイケースで入居が認められるのですね。

身元保証人の判断は施設によって異なるため、入居を考えている施設の職員に事前に相談しましょう。

まとめ

今回は、身寄りのない高齢者が老人ホームに入居するための「身元保証人の立て方と役割」について解説しました。

独り身の方でも、入居の相談を前向きに受けてくれる老人ホームはたくさんあります。

施設への入居を検討している方は、身元保証人について職員に事前に確認しておくと安心です。

また、老人ホームの入居や老後に関する不安は、最寄りの地域包括支援センターや役所の福祉窓口・担当のケアマネジャーなどにも相談してみてくださいね。