こんにちは!!
シニア住宅「くまごろう」の住み替えアドバイザー、
福島 有也(ふくしま ともや)です!
祖父母や両親の介護が始まると、老健(ろうけん)という施設名をよく聞きますよね。
老健とは、介護老人保健施設の略称です。
長期入院などで衰えてしまった身体機能を取り戻すために一時的に入所する、リハビリに特化した介護施設です。
今回は、介護老人保健施設の概要と特徴について分かりやすくご紹介していきます。
「老健ってどんな施設なんだろう…?」
「私の親もお世話になるのかな…?」
「どういう時に利用したらいいんだろう…?」
このような老健に関する基本的な疑問を解消して、介護を受けるご本人にも介護を行うご家族にとっても快適な生活を実現しましょう。
介護老人保健施設(老健)とはどんな施設?
介護老人保健施設(老健)は、主に在宅復帰を目的としてリハビリに重点を置いた介護施設です。
特に高齢者さんは、体や臓器の病気にかかりやすく入院が長期化することも。
その長期入院によって低下した身体機能を改善して、再び自宅で元の生活を送るために必要なリハビリを受けられる施設が、老健です。
●介護老人保健施設の特徴
介護老人保健施設の一番の特徴は、リハビリ専門のスタッフが常駐していること。
他の種類の老人ホームと違いリハビリに重きを置いているため、
「あと少し体をちゃんと動かせれば自宅で暮らせそう!」
「もうすぐ退院できるけどこのまま自宅に帰るのは不安…」
といった状態の方は、老健への入所や通所リハビリによって、老人ホームではなく再び自宅で暮らせる可能性も高くなります。
●老健に常駐するリハビリ専門スタッフ
介護老人保健施設では、次のリハビリ専門の3職種のスタッフを、入所者100名あたり1名以上設置することが義務付けられています。
【老健のリハビリ専門スタッフ】
- ●理学療法士…身体機能の回復を促す介護スタッフ
- ●作業療法士…日常生活動作を訓練する介護スタッフ
- ●言語聴覚士…失語症や嚥下障害など口や喉の機能改善を行う介護スタッフ
また老健には、介護士や看護師・管理栄養士・医師も配置されていて、食事や排泄などの日常生活のサポートや医療体制も整っています。
このような特徴から、老健によって配置されているスタッフの数や期待できるリハビリ内容が異なります。
老健への入所を検討する際は、ケアマネジャーや地域包括支援センターに相談して、最適な老健施設を見つけることが重要です。
介護老人保健施設のサービス内容
ここからは、介護老人保健施設のサービス内容について、次の3つに分けて簡単にご紹介します。
【老健のサービス内容】
①リハビリ
②医療ケア
③居住スペース
まずは、老健の一番の特徴でもあるリハビリから見ていきましょう。
①リハビリ
老健では、1週間に2回以上、1回あたり20〜30分の専門的なリハビリを受けることができます。
具体的には、次のような日常生活に必要な動作をリハビリによって訓練します。
- ●自力で安全に歩行できる訓練
- ●ベッドから起き上がり車椅子に移る訓練
- ●着替えを自力で完了するための訓練
②医療ケア
老健には医師や看護師も常駐していて、入所者の健康を管理してくれます。
長期入院で衰えてしまった喉の機能回復や栄養状態の改善など、生命の安全がしっかりと守れらた環境の中で、安心してリハビリに取り組むことができます。
③居住スペース
老健の居住スペースは、完全個室を除くと次の2種類に分けられます。
【老健の主な居住形態】
①従来型多床室
②ユニット型個室
従来型多床室は、1つの大きな部屋を2〜4人で共用する居住形態のこと。
一方でユニット型個室とは、数人〜10人程度で利用できる共用スペースと各入所者の個室が一体化された居住形態を指します。
ユニット型個室は名前の通り、入所者さんそれぞれに個室が割り当てられ、プライバシーを確保できます。
近年に建てられた老健はユニット型個室が多い反面、昔からの施設は、建物の作りから従来型多床室で運営されている場合もあります。
また、有料老人ホームのように第二の生活の場としての役割は薄く、食堂やトイレ・浴室などは共用です。
介護老人保健施設の入所方法と条件
介護老人保健施設の入所条件は、他の高齢者施設と比べるとそれほど厳しくありません。
【老健の入所条件】
- ●65歳以上で要介護1以上の認定を受けている
- ●感染症などがない
- ●他の入所者の安全な生活を妨げない
また、在宅復帰を目的とした施設のため、入所期間も平均半年〜1年ほどと短期で、入所手続き後は他の介護施設より比較的スムーズに入所できます。
介護老人保健施設の入所費用
老健は介護保険法によって定められた公的な施設のため、介護保険が適用されます。
そのため一般的な有料老人ホームと比べて、毎月の費用を安く抑えることができます。
老健の入所費用の目安は、次の通りです。
【老健の入所費用の目安】
- ●月額費用:10万〜15万円前後(食費含む)
- ●臨時費用:医療費、リハビリ費、生活費、雑費
- ●入所一時金:なし
他の高齢者施設より安価に利用できるとはいえ、入所後に、
「費用が払えない…」
といったトラブルを防ぐために、まずは老健に入所・通所する必要があるかどうかを検討しましょう。
その上で、
- ●入所費用は足りそうか?
- ●医療費控除を受けられないか?
- ●減免措置を受けられないか?
といった金銭的な疑問を、ケアマネジャーや地域包括支援センターに相談してみてください。
まとめ
介護老人保健施設(老健)は、あと少しで在宅復帰できそうな方に適切なリハビリを提供して、元の生活に戻るサポートをしてくれる公的な施設です。
民間の老人ホームと比べると各施設の特色は薄くなりますが、常駐するスタッフや人員・規模によって最適な施設は人それぞれ異なります。
老健への入所・通所を考え始めた時は、情報収集を早めに行い、納得できる施設に入所できるように手続きを滞りなく済ませましょう。
介護に関する心配事は、担当のケアマネジャーに遠慮なく相談してくださいね。
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