高齢になり介護を必要とする両親のために自宅以外の住まいを探している方は、「特別養護老人ホーム（特養）」という名称を聞いたことがあると思います。

特別養護老人ホームとは、各自治体が運営する公的な介護保険施設です。

民間運営の有料老人ホームと比べて入居費用を抑えられることがよく知られている特徴ですが、入居待機者が多く入居条件もあるなど、誰でもすぐに入れる施設ではありません。

今回は、そんな特別養護老人ホームへの入居を検討されている方に向けて、

• ●入居費用
• ●入居条件
• ●受けられるサービス

といった特養の基本的な特徴をご紹介していきます。

特別養護老人ホームについて簡潔に知っていただき、ご本人とご家族の皆様が納得できる住まいを見つけるための参考にしていただけましたら幸いです。

特別養護老人ホームとは？

特別養護老人ホームとは、各自治体が運営する公的な介護保険施設の1つです。

特養について知っておきたい主な特徴は、次の3つです。

①他の高齢者施設と比べて入居費用が安い

②各自治体の基準を満たしたサービスを受けられる

③入居条件は要介護3以上（特例あり）

特養の特徴1.入居費用が安い

特別養護老人ホームは「介護保険施設」であり、入居費用に介護保険が適用されます。

そのため、民間の有料老人ホームと比べて月額の費用を安く抑えることができ、入居時にまとめて支払う入居一時金もありません。

特別養護老人ホームの月額入居費用は、おおよそ12〜18万円ほどに収まります。

【特別養護老人ホームの月額費用の一例】

• ●施設介護サービス費：24,000円
• ●居住費：60,000円
• ●食費：44,000円
• ●生活費：10,000円（仮）
• ●総額：138,000円

要介護度や持病の有無・立地などによって月々の支出は増減しますが、入居費用が上記の金額を大幅に上回ることはありません。

安価な老人ホームを探している場合は、特別養護老人ホームが優良候補となります。

特養の特徴2.基準を満たした公的なサービス

特別養護老人ホームは公的な高齢者施設のため、各自治体の定める基準を満たした安全なサービスを受けられる点も魅力です。

特養で受けられるサービスには、衣食住の基本的な生活のサポートに加えて、

• ●余暇を楽しむためのレクリエーション
• ●身体機能を維持するためのリハビリテーション
• ●医師や看護師による医療的な処置や対応

といった心身の健康に関するサポートも充実しています。

特養の特徴3.入居条件がある

特別養護老人ホームには入居条件があり、誰でも今すぐに入居できるわけではありません。

特養の入居条件は、次の通りです。

• ●65歳以上、かつ要介護3以上の方
• ●40～64歳、かつ特定疾病のある要介護3以上の方
• ●特例を満たした要介護1～2の方

【特養に入居可能な特例とは？】

• ●日常生活が困難なほど認知機能が低下した方
• ●家族の虐待などにより心身の安全な生活が脅かされると判断された方
• ●家族の支援が難しく、地域の介護サービスを利用しても安全な暮らしを望めない方

特養への入居を検討する際は、これらの条件を満たしていることを必ず確認しましょう。

特別養護老人ホームと有料老人ホームの違い

公的な施設である特別養護老人ホームに対して、民間の企業が運営する高齢者施設は「有料老人ホーム」と呼ばれています。

特養と比べた場合の有料老人ホームの特徴は、選択の自由が多いことです。

特に、富裕層向けの高級老人ホームともなると、レストランやバー・シアタールーム・温泉といった一流ホテルのような設備を備えている施設もあり、特養より充実した住まいで快適な暮らしを送ることができます。

その反面、入居費用は一般的な有料老人ホームでも特養より割高になる場合も多く、施設ごとにかかる居住費はまさにピンきりです。

最良の老人ホームとは？

いくら設備やサービスの質が良くても、入居されるご本人が安心・安全・安楽に暮らすことができなければ、本当の意味で良い住まいとは言えません。

立地やサービスの良し悪し・設備の充実度などももちろん重要ですが、入居者さんご本人とご家族が心から満足できる老人ホームを見つけることが、老後の住まい探しでは何よりも大切です。

弊社「老人ホーム相談デスクくまごろう」では、老人ホームの入居や転居・費用・各施設の特色を踏まえて、入居者様お一人お一人に最適な住まい探しをお手伝いしております。

老人ホームに関するお悩みがございましたら、何なりとお気軽にご相談ください。