こんにちは!!
シニア住宅「くまごろう」の住み替えアドバイザー、
福島 有也(ふくしま ともや)です!
体の衰えや認知症などで親の介護が始まると、これまでの生活は大なり小なり変化します。
介護生活と聞くと「家族と不仲になりそう…」「ストレスでうつになったらどうしよう…?」といったネガティブなイメージを持ってしまいますよね。
しかし、実際に介護をし始めてから生活がどのように変化するのか、具体的には知らない方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、親御さんの介護が始まることによる日常生活の変化について、次の3つの項目に分けて具体的な例を交えてご紹介していきます。
- 時間
- お金
- 精神的なストレス
1.時間
親の介護が始まるとまず大きく変化するものが、時間です。
これまで仕事や家事などに充てていた時間を親の介護に割くことになるため、介護の方法によっては生活リズムがガラッと変わることも。
厚生労働省による国民生活基礎調査の概況(2019年)によると、要支援1〜要介護5の親や配偶者と一緒に暮らす人の介護時間は、以下の通りです。
●要支援1
- ・必要な時に手を貸す程度…71.1%
- ・2〜3時間程度…2.5%
- ・半日程度…3.6%
- ・ほとんど終日…3.9%
※「その他」と「不詳」の割合を除く。
●要支援2
- ・必要な時に手を貸す程度…64.7%
- ・2〜3時間程度…6.8%
- ・半日程度…4.7%
- ・ほとんど終日…7.3%
●要介護1
- ・必要な時に手を貸す程度…61.2%
- ・2〜3時間程度…13.1%
- ・半日程度…7.5%
- ・ほとんど終日…11.3%
●要介護2
- ・必要な時に手を貸す程度…50.2%
- ・2〜3時間程度…15.8%
- ・半日程度…12.2%
- ・ほとんど終日…15.7%
●要介護3
- ・必要な時に手を貸す程度…27.7%
- ・2〜3時間程度…13.1%
- ・半日程度…17.6%
- ・ほとんど終日…32.5%
●要介護4
- ・必要な時に手を貸す程度…11.5%
- ・2〜3時間程度…21.7%
- ・半日程度…8.6%
- ・ほとんど終日…45.8%
●要介護5
- ・必要な時に手を貸す程度…3.0%
- ・2〜3時間程度…7.9%
- ・半日程度…12.8%
- ・ほとんど終日…56.7%
生活が大きく変化する境目は要介護2〜3
上の調査を見てみると、要支援1〜要介護2までは「必要な時に手を貸す程度」の割合が多く、半数以上の方は在宅介護が始まっても生活リズムをこれまで通りに保てています。
その一方で、要介護3以上からは「ほとんど終日」の割合が急に高くなり、これまでの生活が一変することも予測されます。
要介護3以上で終日介護の割合が高くなる理由は、要介護3の認定基準が「食事や排泄・入浴などの日常生活を自分でできない状態」だからです。
要介護3の方は、身体的な機能が低下して立ち上がったり歩くことも難しくなるため、介護者の身体的・時間的な負担もそれだけ大きくなります。
2.お金
親の介護が始まると、介護サービスを利用したりおむつなどを購入するためのお金もかかります。
近年では、医療の発達による平均寿命の増加や長く続く不景気などの理由から、「老後には2000万円の貯蓄が必要」「年金だけでは老後の生活を賄えない」とも言われています。
そのため家族が金銭的な負担を補うケースも多く、親の介護が始まるとお金の使い方や意識も大きく変化します。
介護費用は平均どれくらいかかる?
生命保険文化センターが2018年に調べた介護にかかる費用の平均を調査した結果によると、介護を始めてから終えるまで「総額で約500万円かかる」と試算されています。
介護にかかる費用の内訳は、主に次の通りです。
- ・介護施設の費用
- ・介護サービスの利用料
- ・介護用品やベッド等の購入費用
- ・おむつや介護食などの日常生活費
- ・介護のための自宅のリフォーム代金
この調査の「500万円」という数字は、毎月の費用と一時的な支出を合わせた総額です。
介護が始まってもずっと要支援で最期まで自宅で生活できた場合は、費用は平均より抑えられるでしょう。
その反対に、早い時期から認知症を発症してしまったり不慮の事故で要介護度が上がってしまった方は、介護施設の利用料や介護サービスにかかる費用も介護レベルに応じて増えます。
3.精神的なストレス
親の介護は、時間やお金などの目に見える変化だけでなく、精神面にも影響します。
特に在宅介護は、家族(主介護者)の精神的な負担は多少なりとも避けられません。
国民生活基礎調査をもう一度見てみると、要介護3以上になるとほとんど終日介護に時間を割くケースが増えます。
日常生活の介助による身体的な疲労や自分の時間を確保できなくなるだけでなく、「親に恩返しするためだから…」と必要以上に頑張りすぎてストレスを抱えてしまう人も。
親の介護は強制されるものではありませんが、義務感を感じやすいものでもあります。
介護に疲れないために知っておきたい3つのこと
介護に疲れず親御さんと適度な距離感で向き合うために、次の3つの考え方を心に留めておきましょう。
- 親が元気なうちに介護に対する考え方を聞いておく
- 一人で無理せず兄弟や配偶者・親族にもサポートしてもらう
- 必要な介護サービスを積極的に活用する
「どんな介護生活を送りたいか?」この疑問に答えるのは、介護者ではなく親自身です。
意識がはっきりしていて時間を取れる時に、まずは親の介護に対する考え方を聞いておきましょう。
「できる限り自宅で暮らしたい」「子供に負担をかけたくないから老人ホームに入りたい」といった希望を聞いておくことで介護の方向性を明らかにでき、親の将来に対する不安や悩みを減らすことができます。
また、自分が率先して親を介護する場合でも、決して一人だけで頑張ろうとしないこと。
「できる限り私が介護したい!」という気持ちは大切ですが、自身の仕事や健康を犠牲にしてまで介護を孤独に頑張る必要もありません。
「一人で頑張らなくてもいいんだ!」と思えるだけでも、介護の精神的なストレスは和らぎます。
そうした心の余裕を保ちながら介護に適度な距離感で臨むためにも、必要だと判断した介護サービスは積極的に活用してください。
体の衰えた高齢者の介護は、想像以上に大変です。
できないことを無理に行おうとするよりも、任せられるところはプロにお任せして、家族としてできること・家族にしかできないことを優先しましょう。
まとめ
今回は、親の介護によって変化する生活について詳しく解説してきました。
- 時間…要介護3から終日介護が必要になる場合が多い
- お金…親の介護費用の平均総額は約500万円(要介護度や介護期間によって変動する)
- 精神的なストレス…一人で頑張りすぎないことが介護を続けるコツ
親の介護による生活の変化を事前に知っておくだけでも、必要な準備を進められたり心構えが身につき、介護生活をスムーズに始めることができます。
親御さんの望む老後とご自身の快適な暮らしを両立できる日々を実現できるように、今からできる準備を少しずつ始めてみてくださいね。
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